「下中座の座員になりたい!」
ありがとうございます。とても嬉しいお話です。
・・・でもまずは、下中座の座員について、少し御案内いたしましょう。
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下中座の座員ってどんな人たち?
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下中座の座員は、日常生活では会社員や公務員、教職員、自営業者、農業者、学生・生徒、主婦と、幅広い分野で活動している人たちですが、普段はきわめて普通に生活している人たちです。
年齢層も10代から80代まで切れ目なく存在しています。様々な立場の人たちが参加していることが下中座の強みになっています。
どの座員も生活の延長線上に下中座の活動があるといった、とても自然な形で座の活動に参加しています。
稽古日は、稽古中に行われる打ち合わせで座員の予定を確認の上、最も座員が集まることのできる月2回の土曜日を設定した上で、稽古会場を確保しています。会場確保が難しい場合は、日程を再調整します。
公演等には、座員一人一人が仕事のスケジュールや家庭の都合等を調整しながら参加しています。下中座では仕事や家庭を犠牲にするような参加を否定しています。もし座員が集まれない場合には、御依頼いただいた公演をお断りすることもあるのです。
下中座は、座員を広い地域から募っています。座員はおおむね小田原市小竹地区を中心とした神奈川県西部に集中していますが、中には東京・横浜から通っている座員もいます。
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座員になったら何をするの?
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今在籍している座員も、最初は相模人形芝居の知識も経験もありませんでした。
最初に基本的な人形の動作“立ち、すわり、歩き”などを教えられると、後は指導者やベテラン座員から少しずつ相模人形芝居の遣い方や伝統、考え方を教わっていきます。
上達するには練習と舞台に上がることしかありません。どの座員もたくさんの失敗を乗り越えて成長しています。残念ながら『近道』はありません。
座の取り組む演目は毎年変わります。何年かぶりの演目になるとどう動かしたか忘れることもあります。でも大丈夫!下中座では人形操法を文字記録化した『演技台本』を常備しており、座員は全員これを持っています。どこでどのような相模人形芝居の『型』が入るかはこれを読めば分かります。また公演状況を写真やDVDなどに記録していますので、これを観て動きを確認することもできます。
一方で、お芝居の全編にわたってまんべんなく細かく相模人形芝居の動きが指示されているわけではありません。守るべき『型』と呼ばれる人形の動きを守りながらも、自分の工夫でより素晴らしい人形の動きや演出を考えることも充分に可能です。
また、下中座では人形の遣い方以外にも、人形芝居の舞台運営上必要な技能を身に着ける講習会を開催しています。いろいろな体験や様々な技能が身に付くと相模人形芝居がより楽しくなります。
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座員になったら係る経費って何があるの?
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下中座には会費(座参加費)がありません。座の運営費は各公演依頼料等により賄われているからです。
一方で公演会場までの移動費用は全て座員本人の負担になります(公演依頼者による費用負担がない場合)。
昼食や夜食をまたぐ場合の食費も公演依頼者の方等からの御提供がなければ自己負担になります。
黒衣(くろこ)衣裳や舞台草履なども、座員が自分のものを購入します。
夏の合宿の宿泊費や座の有志主催の暑気払い、忘年会などの費用はその都度臨時徴収になります。
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「人形遣い」以外で参加している人もいるの?
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自分の「取り柄」を活かして下中座に参加する方もいます!
座員の中には人形を遣わない人も存在します。
意外と知られていませんが、人形芝居は人形遣いだけでは運営できません。太夫さんや三味線さん、衣装を縫う人や首を作る人、髪結いさん、記録を取る人、大道具さん、小道具さん、マネジメントする人……。座員や座員以外の大勢の人たちに支えられて下中座は運営されているのです。
相模人形芝居には欠かせない義太夫や三味線を習って座に参加され出演を目指す人や、下中座の写真を撮り続ける写真家の人、人形の衣装を繕う人……舞台に上がって人形を遣わなくても素晴らしい座員としての活躍を見せる人たちの存在は、下中座の宝です。
あなたの持つ素敵な”力”をぜひ下中座で活かしてください。
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下中座の座員になりたい!でも、どうしたらなれるの?
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下中座の座員になるのに特別な申請書類や審査、テストはありません。
随時募集していますので、『募集期間』もありませんし、募集を呼びかける広告を出すこともありません。
稽古会場の小竹公民館(夏は橘タウンセンターこゆるぎ)に通える方で、『下中座で相模人形芝居をやりたい!』とお考えの方なら、誰でも参加できます。
また、人形を遣えなくても『下中座の写真を撮りたい』、『人形の衣裳を縫ってみたい』といった理由で参加される方もおられます。人形芝居は人形遣いだけでは運営できません。こういったサブスタッフ的な参加も歓迎いたします。
下中座への参加をお考えの方は、問い合わせ先メールアドレスまたは、直接、稽古会場あるいは公演控え室にお越し下さい。